都市部で深刻なヒートアイランド現象
「ヒートアイランド現象」とは、都市部の気温が郊外に比べて高くなる現象のことをいいます。
東京では、過去100年間で、日本の大都市の平均気温は約2~3℃上昇、また30℃を超える気温の時間数は、1980年代前半では年間200時間程度だったのに対し、最近では20年前の約2倍にまで増えています。その範囲は郊外へも着実に広がりをみせています。
なかでも近年、夏の気温が異常に上昇することが問題視されており、埼玉県の熊谷市が40℃強を計測したニュースは記憶に新しいでしょう。地球温暖化の影響もありますが、他にもヒートアイランド現象の要因は様々なことが考えられます。
●緑地の減少と人口被覆面の増大
特に都心部は、森林や田んぼ、畑などの緑地を壊し、川や水面なども埋め立てなどして人工地化してきました。
地面をアスファルトやコンクリートにしたことで、熱をため込み、地表を冷えづらくしました。アスファルトを歩くと、太陽の照り返しで日焼けするといった経験は?また、真夏にアスファルトを触ると異様な熱さに驚いたことは?これらも、こうした理由から起こります。緑地は降った雨などの水を吸収し、晴れれば、地中から蒸発する際に地面と空気の熱を奪ってくれますが、アスファルトやコンクリートはそうはいきません。
こうした土地が増えたことで、都市部は特にヒートアイランド現象が加速しているといえます。
●ビル群の高密度化
周囲に何もない野原に立つと、風がスッと体を通り抜け、とても心地よいと感じるはずです。
一方、高層ビルが立ち並び、建物が密集した地域は風通しが悪く、熱や空気がこもりがち。さらに人も多いため、歩いているだけで気分が悪くなる人もいるかもしれません。こうした日常のささいな出来事が、実はヒートアイランド現象だったりします。
●人口排熱の増加
建物や工場、自動車などから排出される排熱が増大していることも要因の1つです。
家庭やオフィスでいえば、エアコンやパソコンも。例えば家庭に置いているエアコンであれば、外に置かれた室外機からかなり高温の熱風が出ていることをご存知でしょう。また、パソコンが密集したオフィス内は異様な熱さになるため、それを打ち消すために、冷房を最大限にまわして対処している企業も多いかもしれません。
ヒートアイランド現象の熱さを免れるために、エアコンを使用し、ヒートアイランド現象を助長させる。このような負のスパイラルを作り出している現状もあります。
ヒートアイランド現象が進行するなかで、地面を冷やす、排熱を減らす、といった対策が行われています。例えば、建物の緑地化。屋上を芝生で敷き詰めたり、菜園にしたり。ビルの側面に緑を這わせているのも緑地化です。この壁面緑化はグリーンカーテンとも呼ばれています。また、排熱の減少は、今後ますますエネルギー消費が増大することが前提にあるなかで、真剣に向き合って対処していかなければいけない課題の1つです。
いかに省エネルギー化していくか、弊社のメガソーラーもそうした対策に貢献できることが期待されています。また、登川発電所の建設にあたっては、従業員の環境問題に対する意識改革にもつながり、エコに対する意識が高まったことは事実です。こうした認識が、施設内のエネルギー使用量軽減にもつながると信じています。