日本はまだ未導入、今後の動向が気になる環境税

環境税環境税とは、環境破壊を促進させる要因の一つ、二酸化炭素排出の削減を目指して、化石燃料の使用料を抑制するために、石炭、石油、天然ガスなどに課税される税のことを言います。別名、炭素税とも呼ばれ、二酸化炭素の排出量または、消費量に応じて負担を使用者(法人や個人)に求める仕組みになっています。

 

現在導入している国でいうと、フィンランド、ノルウェー、スゥエーデン、デンマーク、オランダ、イギリス、ドイツ、イタリアの欧州ヨーロッパが多く、米国では、2008年2月にカナダのブリティッシュコロンビア州で導入されました。国単位での導入以外にも、市や州といった小規模での導入もあります。

 

日本では、環境省が中心となり、環境税の導入検討が議論されてきていますが、一般市民や産業界から負担増加に対する懸念や慎重な対応を求める声も大きく、いまだ導入にはいたっていないのが現状です。ですが、政府は2012年10月1日からは「地球温暖化対策のための税」による課税を実施しています。これは、現行の石油、石炭税に化石燃料の利用量に応じて上乗せするかたちでの課税で、税率は3年半にかけて段階的に引き上げられることになっています。

 

一方で、国の政策として環境税は未導入なものの、宮城県では、2011年に4月に「みやぎ環境税」なるものを導入しています。これは、宮城の豊かな環境を適切に保全し、次世代に引き継ぐために必要な施策に充当する財源を補うための課税であり、納税義務者は宮城県内に住所などを有する個人や法人とされています。個人であれば、年間1200円。法人であれば、標準税率の10%相当額の課税があり、徴収された税金は間伐実施の促進や植林支援といった森林環境整備事業や、太陽光発電システムの普及や公共施設や学校などの省エネ施策導入といったクリーンエネルギー普及促進に充てられています。

 

環境税の導入によって環境保全につながる様々な効果が期待される一方で、必ずしも「化石燃料の価格が上がったからといって(課税することで)、二酸化炭素の排出量が減少するとは限らない」という意見も多くあり、導入するか否かについては、今後の動向が注目されています。

 

参考:環境省より「税制のグリーン化(環境税等)」http://www.env.go.jp/policy/tax/kento.html



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