リデュース、リユース、リサイクルの輪をつくろう
多くの物に囲まれ、便利で快適な暮らしをする一方で、大量生産、大量消費、大量廃棄が行われることで、より一層、環境破壊が加速しているのも事実です。
ゴミ廃棄に関していえば、埋め立てが続くことでの最終処分場不足が心配されています。
また、日本大震災の津波被害で出た沢山の瓦礫処理をどうするかも、近年大きな問題となりました。現代社会において、物の廃棄&処理については課題が山積みとなっています。
そうした中、限りある資源の消費・使用・廃棄を限りなく減らし、再使用・再生産しながら、繰り返し利用していく社会の仕組みを作る、「循環型社会」に注目が集まっています。
私たちが着古した服をリサイクルショップへ売ったり、フリーマーケットをする、こうした活動も循環型社会を作る取り組みの1つです。これらの取り組みは「リデュース」、「リユース」、「リサイクル」、「熱回収」、「適正処分」などに大きく分類できます。
①リデュース
ゴミ自体を減らすことを言います。簡単な取り組みでいえば、マイ箸、マイ水筒、エコバッグの持参。お店で購入する際の過剰包装を避ける・拒否する、不要なものを購入しない、詰め替えパックを利用する、生ごみ処理機を利用するなども、リデュースにつながります。また、企業側の取り組みとしては必要以上に生産をしないこともリデュースです。
②リユース
使用可能な製品を、洗浄・修理して再利用することを言います。リサイクルと混同されやすいですが、リユースは一度使用した製品や部品をそのままの形で使うところがポイントです。例えば、ビール瓶などに使われるリターナブル瓶は、リユースの1つ。商品が入っていた発泡スチロールの箱を植木鉢として活用した、といったこともリユースになります。捨てる前に「何かに使えないかな?」と一度考えてみると、リユースするきっかけがつかめるかもしれません。
③リサイクル
使用済みの商品やゴミを回収し、再利用できるよう処理や加工を施して新たな製品として生まれ変わらせることをリサイクルといいます。この取り組みが一番ポピュラーかもしれません。
例えば、ダンボールや牛乳パックの回収もリサイクルの一環です。ダンボールでいえば、回収された9割が再びダンボールに生まれ変わって使用されているとか。牛乳パックは再生紙に、ペットボトルは衣料品やクリアファイル、ボールペンや洗剤ボトルといった様々なものに再利用されています。最近では、使い古した衣料やパッケージをリサイクルするため、販売商品の回収を積極的に呼びかける企業も多くあります。
④熱回収
廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して再利用することを言います。別名、サーマルリサイクルとも呼ばれ、回収された熱エネルギーは、施設の冷・暖房や給湯などに利用されているようです。
⑤適正処分
リサイクルしきれなかったゴミを適正に処理することも「循環型社会」を作り上げるうえで重要なこと。適正処分には、廃棄物を減量化・安定化・無害化する『中間処理』と、それができなかったものを埋め立てる『最終処分』があります。
また、中間処理で行われるのが焼却です。日本の焼却はトップレベルで、焼却後の体積は全体の1/10~20ぐらいにまで減量できるそうです。
こうした、①リデュース、②リユース、③リサイクルの3つを合わせて、3R(スリーアール)と呼んでいます。また、2000年に成立した”循環型社会形成推進基本法”では、取り組む優先順位も設けられ、先に紹介した通りの順番で優先度が高くなります。
つまり、最優先されるべき取り組みは、「リデュース(ゴミを出さないようにする)」。リユースやリサイクルするよりも、問題となるゴミをそもそも出さないようにする、それが一番大切なことなのです。物を大切に、ゴミを減らすなどの私達一人一人の意識と心がけが、限りある資源を守り、ひいては「循環型社会」を築く基盤になることを忘れずにいましょう